プレゼンを極める基本テクニック|プレゼン勝利の法則 Pt.3

その場の空気を読んでオーディエンスを湧かせる即興性あるプレゼンテーションとは?
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適切に情報を伝えるプレゼンは、環境や状況に応じて言語情報だけでなく、非言語の聴覚情報、視覚情報も受け手の印象や感情に影響を及ぼします。ポイントは「構成」、「伝達手段」、そして「演出手法」、さらには受け手に対する気遣いや想いがプレゼン力を高めます。今回は、初心者が意識すべきプレゼン基本テクニックを紹介します。

目次

プレゼンの苦手意識を原動力に

自分をセルフ・プロデュースする感覚

もともと人前で話すことは得意ではなく、20代半ばに米国留学の時、美術史の期末試験で研究発表を一人10分間のスピーチが有りました。言葉の壁と教室内の「このひと、何をしゃべっているの?」という沈黙の鉄球に打たれながらスピーチを終えた後、教授からのコメントは「誰の何の絵についてか、もう一度、教えて。」何とも打ちのめされた経験でした。

帰国後、仕事を始めてからこの反動で「言葉の通じる母国で、自分の想いが伝わらない訳がない」と何の根拠も無い中でプレゼンテーションの場数をこなしていき、転換期はプリセールスを中心に行う部署のプレゼン活動で徐々に受注成果が上がり結果に結びつく経験でした。

今ではセミナーで登壇したりプレゼンテーションの代役を依頼されるまでになるまでに何とかなりました。これらの経験よりその中で得た気づきや現場の実戦で身に付いたプレゼンのテクニックを体系立てて紹介します。ポイントは、聴き手に集中して貰える要点を押さえた構成と飽きさせない伝達力、そして信頼感の演出です。

緊張感を高揚感に変えるためには、技術を実践しかつセルフプロデュースの感覚で自信を引き寄せて行きます。最初に基本のプレゼンテーション理論を見ていきます。

プレゼン基本の3要素

プレゼンテーション(presentation)の語源は、贈り物を渡す贈呈(present)からきていると言われています。ビジネスにおけるプレゼンテーション(以後、プレゼン)は、聴き手側に対して自分たちのアイデアに先ずは興味を持って貰い、理解し納得した上で何かしらの行動を喚起する狙いがあります。プリセールスの場合では、商談成立や受注にあたります。

言葉を換えれば、受け手に対して価値ある情報や企画提案を納得して受け取って貰う伝達手段です。プレゼンの主な構成要素は「構成力(シナリオ設計)」、「伝達力(デリバリースキル)」、そして「演出力(プレゼンス醸成)」の3要素と考えます。それでは、これらを順に解説していきます。

プレゼンの3要素:「構成力」、「伝達力」、「演出力」は、受け手に理解し納得した上で行動を喚起する狙い。
プレゼンに必要な3要素の図版例

1.プレゼンの構成力(ストーリラインとシナリオ設計)

1-1.基本のストーリラインとなる論理ピラミッド

プレゼンの定石となる流れは、受け手の興味関心を惹きつける提案(結論)から詳細(理由>根拠)に移行する構成を先ずは考えます。最初から枝葉末葉な細かな話しは、聴き手の準備が整う前には混乱をさせてしまう可能性が出てくる理由からです。

前回の「提案書の書き方と実践テクニックで紹介したように、先ずプレゼンの流れとして提案背景である課題の認識合わせを行い方向を合わせ、そこから提案をコンセプト化した手短なキーワードで記憶にすり込みます。

そしてそれを支える理由、更に根拠となる事実(事例など)で理論的な構成の基本骨子を作ります。この思考の展開を、論理ピラミッドとも呼びロジカルシンキングの基本構成になります。

論理ピラミッドの図版例:提案(結論)から詳細(理由>根拠)に移行する展開を表す論理ピラミッド
提案の論理ピラミッドの図例

1-2.記憶に残すシナリオ設計と時間配分

この基本骨子であるストーリーラインを作ったら次に、プレゼンのシナリオを考えていきます。ここで言うシナリオとは、メッセージでストーリーラインを肉付けしたプレゼン構成を指します。各シートの見出しやポイントとなるキーフレーズの選定だけでなく、この後に説明する、伝達手段や演出方法、各要素の時間配分までを含めて考えます。

多くの方は基本骨子だけでストーリ立てをして話しをする方も居ますが、プレゼンとは時間の制約があり受け手が記憶出来る情報量も限られます。人の記憶に刷り込むプレゼンにするためにも、全体の論理的ストーリー展開と時間を緻密に管理したシナリオ構成で記憶に刷り込むプレゼンテーションに挑みます。

わたしの場合、シナリオ構成ができたら各ページ(スライド)毎に時間配分を考えていきますいきます。どこが今回のキーメッセージとなる場所かを検討します。それにより非言語の演出や小道具なども考えて行きます。

大まかには流れで意識するポイントは、最初の出だし(つかみ)、中だるみし易い中盤、そして最後の振り返りの3幕でオーディエンスを飽きさせないための流れを設けたりします。ハリウッド映画のシナリオ構成の場合、基本と言われる出だしで観客を引き込むシーンからはじめる手法もよく用いらます。

カンファレンスなどのプレゼンであれば、時事ネタや数字を使い観客になにを表しているか問いかけて意識を惹きつけるなどのつかみネタがよく用いられますが、コンペの場合はプレゼン時間が限らて更に一日で立て続けにプレゼンをする場合は状況に合わせて結論から話しを進めて多忙なクラインとの時間と配慮が必要になります。

特に時間管理は、自分の目に見えるところに腕時計などを置くなどして時間の管理をしました。他の人にタイムキーパー(TK)を依頼する方法もありますが、発表に集中し過ぎてTKの合図が目に入らない可能性もあります。今ではスマフォのアプリでプレゼンタイマーなどもあるので、バイブレーション機能などを利用し自分で時間管理もし易くなりましたのでお奨めです。

プレゼンで一番に印象を損なう要因として時間をオーバーしてしまう状況です。プレゼンの不慣れさや段取りの悪さを露出することは避けましょう。

1-3. 共感と刷り込み効果を狙う発表の順番

プレゼンや勉強会などの時間は、長くて60分ほどが一般的です。質疑応答の時間を引くと実質40分〜50分程度になります。ひとの集中力の目安はおおよそ15分ほどとも言われますが、個人の経験からは、最初の数分で意識を引けつけるつかみに成功すると提案最後まで受け手側の多数の集中力を惹き付けておく事ができます。

特に勉強会やセミナーなど単独で行うスピーチの場合、その日のトピックスの結論に関連するつかみとなる2〜3分の小ネタを用意し、聴衆の気持ちをほぐして最後まで集中して貰える工夫を施します。カンファレンスなどでよく使われるつかみネタは、最新(その日の朝など)の時事ニュースや個人の最近の趣味嗜好ネタなどが良く使われて共感を誘います。

競合プレゼンの場合は複数の会社が同日に立て続けにプレゼンをするスケジュールが組まれることが多く2番手以降からは徐々に聴く側も疲れが出始めるため、最初以外ではつかみを入れずにプレゼンを開始することを意識しました。個人的には、プレゼンの順番においては他社よりもインパクトを最初に勝ち取る為に1番最初にプレゼンを出来るよう可能な場合はクライアントに調整を試みたりもしました。

その理由として他社が一般的に提案しそうなアイデアに対して最初に釘を刺して刷り込み効果を施すテクニックを施すために一番最初の打席を狙います。競合他社が多く参加しているコンペの場合にはこのテクニックは効きいてきます。過去にこのテクニックを利用し12社コンペで受注することもありました。

このような釘を刺せるようなカンターとなるアイデアが思いつかない場合でも、違いがあまり出てこないような提案テーマの場合、中だるみしがちな中盤を除く最初か最後の順番が印象を残し易いと考えます。

これらスタートの共感や刷り込み効果を狙うプレゼン戦略シナリオの設計として構成力があり”実戦”のテクニックです。提案を記憶の残すシナリオ構成や工夫は、映画で言う練り込まれた脚本構成と同じと言えます。

2.伝達力(デリバリースキル)

情報を適切に理解を促し相手に届ける能力を、デリバリースキル(delivery skills/speech delivery skills)という言い方をします。この伝達能力とは話す内容である「言語表現」だけでなく、「非言語」である聴覚情報などの話す速さや声のトーンと視覚情報である目配せやボディランゲージなどで構成されます。先ずは主に理解に影響する言語表現と感情へ影響を及ぼす非言語の2軸で伝達力を考えていきます。

伝達力を構成する「言語表現」と「非言語」における留意点
プレゼンの伝達力における言語や非言語の表現で注意すべき点の例

2-1.言語表現の留意点

センテンスの長さ

話しを聴いていて言いたい事が伝わりづらい人に共通する特徴は、文章と同様にセンテンスが長い話しをする傾向があります。仮に途中で要点を見失いない話しが迷走仕掛けた場合などは、「つまり言いたい事は、…」など随時、まとめ直すよう意識します。基本は、センテンスは短く端的に話しを繋ぐようにします。

強調や要約

センテンスの長さだけでなく、トピックスごとで要約を伝えることで聴き手に情報整理と再確認の時間を与えて理解を深めます。また「ここで一番大切なのは、…」、「本日の覚えて頂きたいポイントは、…」など自分の伝えたいことの前に強調を促す接頭語を交えることで、言葉に蛍光ペンでハイライトを入れるように聴き手のこころにインパクトを刻み込みます。また、プレゼンの最後にも本日のまとめを入れて記憶に残して貰う工夫を施します。

禁止表現|音引きの間投詞

「えーと」、「そのー」などの間を繋ぐ間投詞は稚拙で頼りない印象を受け手に与えます。特に不意の質問をされたときにとっさに口をついてしまいがちな表現です。「それは良い質問です…」、「なるほど…」など一旦、相手を受け入れる手短かな表現で返答し、考えをまとめてから状況を乗り切る工夫も必要です。

音を伸ばした間投詞などの表現は、ノイズとなり集中や理解を妨げるだけでなく信頼を必要とするビジネスシーンではNGと心がけます。(無理に言葉で状況を埋めずに敢えて無言でうなずくなど一旦、ジェスチャーで間を持たせ聴衆を惹きつけるテクニックもあります。)

2-2. 非言語(聴覚や視覚情報)の留意点

声の印象

声が小さくメリハリや抑揚も無くぼそぼそと話す姿は、聞き取りつらいだけでなく受け手は自信を感じられず話しにも集中しづらい原因になります。

また滑舌に自信が無い人は、敢えて話す速度をゆったり気味を意識して声量をためて低めのトーンで話すことで聴き取り易さを補い、自信と信頼もアピールできるようになります。

話す速度

人前であがってしまったり時間を気にしすぎて、つい早口でしゃべるひとがいます。聴き手の理解や集中力が妨げられるだけでなく信頼感も薄れる印象を生む可能性があるため注意が必要です。

ここでも基本は普段の話す速度より気持ちゆったりと話すように意識します。オーディエンスが話しに付いてきているかはアイコンタクトで随時、確認するようします。

間や抑揚でリズムを生む

単調な話し方は、オーディエンスに眠気を誘引したり集中力が維持しにくい状態になり注意が必要です。スピーチ慣れした人の多くは、間を持たせたり抑揚などを活用して聴覚情報に緩急を設けて聴衆の意識を惹きつける工夫があります。

スピーチの姿勢

話す姿勢は、受け手の印象に影響を与える視覚情報です。人前でスピーチに慣れてないと原稿を見るために下を向いたまま話しを進める傾向があります。プレゼンは朗読でも念仏でもありません。

また披露宴のスピーチでも無いので、プレゼンのスライド資料を全て読み上げる必要はありません。何故ならビジネスにおいてはプレゼン資料を別途、配布を前提にしていることが一般的だからです。(カンファレンスなどの発表では、資料配布が無い場合があります。)

またプレゼンは、オーディエンスのための時間です。いつでもオーディエンスを意識して顔を聴衆に向けて話をするためには最低限、提案のストーリーライン(骨子や構成)やポイントは頭に入れてスピーチに臨みます。必要に応じて説明の該当箇所のみ原稿に目を向けて、それ以外は聴衆に対峙して話す姿勢を意識します。

ジェスチャー

日本人は欧米人に比べて身体を利用したジェスチャーを会話中ではあまり使わない傾向がありますが、プレゼンにおいては聴衆の意識を惹きつけるために実行したいテクニックです。

因みに海外のスピーチでは、自信を主張する為に片手をポケットに入れたり椅子に座っているときは足を組むなど日本の作法や慣習に合わないスタイルもありますが、本稿では自信のアピールではなくオーディエンスの注意を惹きつけるためのジェスチャーを紹介します。

わたしの場合、基本はプロジェクターを利用した立ち姿でプレゼンを行うようにしています。部屋の広さにもよりますが、それにより自然と投影したスライドを電子ポインターを利用して示すだけでも身体を使うため、視覚情報で聴衆の意識を惹きつける効果が期待できます。

特にランチ後などのプレゼンでは胃が満たされたオーディエンスは、睡魔との戦いになりがちです。聴覚だけでなく視覚も有効活用してオーケストラの指揮者の如くオーディエンスの視線や意識を集めるつもりで臨みます。

具体的には、前述の抑揚や強調を行う時にさり気なく手や指先を動かして視覚からもリズムを感じるように工夫を施します。重要なポイントを強調する場合は、軽く手を握ったり人差し指で注意喚起をしたりします。あくまでやり過ぎない自然な動作を意識します。

注意点は、会場の広さに合わせてジェスチャーのサイズを調整します。広い会場ではスクリーン中央で後ろの人でも確認できるようにやや大きめな動作や、個室の場合は顔の表情やうなずきなどの繊細な動作を活用したり、オーディエンスとの距離に合わせ過剰にならないレベルでジェスチャーの調整を行うことがポイントです。

アイコンタクト

非言語の視覚情報の中でも重要と考えられるアイコンタクトの活用は、前述の話す姿勢にも影響し受け手側の印象も左右します。繰り返しになりますがプレゼンは、聴衆の貴重な時間を借りて価値ある情報を提供する場です。

可能な限りオーディエンスの方に視線を向けた対話の姿勢を意識し、その場の空気や反応を読みとることも重要です。ビジネスにおけるプレゼンやコンペの場合、会議室における参加者の上座を意識しつつ他の参加者へも均等に視線を向けるようにします。

(因みに外資企業の会議室の上座は、日本企業の部屋の一番奥の位置関係と異なり、スクリーンやプレゼン中央の正面席になります。)

また眼だけを動かすのでなく自分の顔を相手に向けて視線を送ります。視線だけを動かしたりするのは逆に落ち着きが無い印象にも捉えられかねないので注意も必要です。

また資料を先に配ると参加者は発表者ではなく資料ばかりに目を向けがちですが、それでもアイコンタクトは行います。理由は前述したように、参加者の様子を観ながらプレゼンに対する反応やその場の雰囲気を読み取るためです。

慣れも必要ですが、話しながらオーディエンスの反応に合わせてプレゼンの構成を変更したり興味を惹きつける即興性を身につけられるように成るためにもアイコンタクトはビギナーの内から意識しておくべきテクニックです。

3.演出力(信頼と影響を示すプレゼンス)

プレゼンに重要な3要素の最後は、影響力などのプレゼンス(=存在感)を醸成する演出テクニックを解説します。ビジネスのプレゼンで受け手側は、提案内容だけでなく信頼できる経験豊かなパートと成り得るかにも期待を寄せています。その期待に添う印象を醸し出す演出力はビジネスでも必須な技能と言えます。

感情(印象)に影響する3要素の整合性

コミュニケーションで受け手の感情に矛盾を感じたときに重要視する要素を実験した心理学の”メラビアンの法則“が良くコミュニケーション技術の注意点の例として取り上げられています。

これは伝達手段における前述した、視覚情報(Visual)、聴覚情報(Vocal)、そして言語情報(Verbal)の3要素において受け手が違和感や矛盾を感じた場合において最終的に受け手側が重視する要素の順位が、1位「視覚情報:55%」、 2位「聴覚情報:38%」、3位「言語情報:7%」という実験結果があります。

この結果は本来、見た目が全てという第一印象の重要性を立証するということではありません。あくまでメッセージの受け手側が3要素のアンテナで感じる印象に矛盾がある場合に最終的な判断する要因を立証したものです。

会話の中身よりも”見た目や第一印象が全て”という誤った解釈でないことに留意しつつ、プレゼンでは資料作成だけに気を取られずにこの3要素に矛盾が出ないように準備を進めます。

伝えるメッセージ(情報)だけでなく、視覚情報や聴覚情報の非言語の情報に矛盾を出さない気遣いが演出の役割です。

メラビアンの法則 出典:wikipedia

記憶を定着させるプレゼンの演出方法

服装や身だしなみ

ビジネスシーンにおいては相手企業の業種や企業文化にもよりますが、服装のスタイルは一昔前では男性の場合はバンカーストライプ(金融系)と言われた濃紺のネイビーストライプのスーツとパワータイと言われる赤系のネクタイを組み合わせる服装がコンサルティング業界のプレゼン時で好まれて着用されていた時もありました。

バンカーストライプ(金融系)と言われた濃紺のネイビーストライプのそしてパワータイと言われる赤系のネクタイを組み合わせる服装

昨今ではビジネスにおける服装の自由度が増しているので基本は清潔感を意識し、特にシャツやスーツの皺や靴の汚れなどの細部に注意を払います。当然、髪の寝癖や肩のふけは御法度です。たまに見かけるのはシャツ襟の黄ばみシミや、夏場などはプレゼン最中に汗染みなどが起こる場合を想定してインナーや上着を着用して汗シミを目立たないような配慮を施しす。

またプレゼンを受ける側は意外と発表者の細かい部分も見ています。例えば指先などは、ジェスチャー中の動作で自然に視界にも入ります。男性も爪や鼻毛など身だしなみの確認は事前に行いましょう。全ては相手に信頼や信用の矛盾を想起させないエチケットであり気遣いです。

しぐさや表情

相手が話す時は当然、相手の眼を捉えつつ、うなずいて共感を示したり相手との距離を縮める工夫は直ぐに実行出来るコミュニケーションテクニックです。例え批判的な意見が出てきても一旦は、相手の話に傾聴する姿勢で、うなずきにより感情を刺激せず相手を受け入れつつ心のまわいを保つことも重要な心構えとなります。

また落ち着いた雰囲気の服装でプレゼンに臨む場合、適切なタイミングで表情を緩める瞬間を持たせられると印象のギャプ効果により相手との距離を近づけるテクニックもあります。

堅い雰囲気の中にも人間味を感じさせるような表情でひとの懐に入り込む方法です。勿論、無理した笑みは状況によっては誤解を招き逆効果ですが、信頼を築く上で威厳をアピールするだけがプレゼンの全てでは無い旨も理解しておきます。

プレゼンの小道具

プレゼン慣れした印象を持たせる小道具に一般に利用されているクリッカーという、PC上のスライドソフト(power pointなど)を手元で操作できるリモートの無線リモコンがあります。小さな個室などであれば、ワイヤレスのPCマウスでも代用ができます。

昨今ではデジタル色を前面に出した印象を演出するために、ノートPCでなくスマフォだけでスライドを管理するスタイルもあります。またその逆張りではスライド操作はクリッカーを使いつつ、相手の発言や質問には万年筆でメモを取りながら話しを進め、特に年配の役員の方々に信頼感を醸成する演出方法もあります。

全ての演出はどの様なメッセージをどんな様な人たちに伝えるのか、そしてプレゼン環境に合わせて「演出方法」も適切に整えます。それはある意味、その場の空気を読んでオーディエンスを湧かせる即興性あるDJのプレーとも言えます。

プレゼン準備とトラブル対策

第三者による文字校正の実施

資料が整いプレゼン当日までの準備として、ドライ・ランと言われる実際の流れを最初から最後まで確認する準備があります。やり方はいろいろとありますが、実際の時間配分で通しでプレゼンを再現するものから構成内容のスライドで抜け漏れや矛盾など構成内容を中心に確認していく方法もあります。基本は、第三者に聴衆の視点で他の人に確認して貰い伝えたい内容が理解されるかを中心に見て貰います。

プリセールスの競合プレゼンなどの場合では、時間が押し迫った中で資料作成の準備に追われる事もしばしあります。資料完成がプレゼン当日の明け方など、ごく普通な時もありました。

そのような場合でも、スライド資料の文字校正である誤字脱字のチェックは作成者やとりまとめた人以外の第三者に必ず依頼しましょう。

文字校正の原則として、作成者などの本人は何度も資料に目を通しているため誤字に気づきつらい可能性が高いからです。(心理学ではこれを選択的注意と言い、集中する対象以外は脳が認知しずらく見逃す現象が起こる場合があります。)

シナリオラインとポイントを押さえる

更に前述したストーリーラインの骨子やその日に伝えたいポイントを、会場への移動中などで繰り返し頭の中で暗唱します。話す構成の流れと伝えたいポイントさえ覚えていれば、仮にプレゼンの最中で時間が足りなくなって来た場合、ポイントだけでも最後に伝えることでプレゼン全体の体裁を保つ柔軟な対応ができるからです。

電源や接続機器の確認と予備スライドデーターなどの持参

またプレゼン当日は時間に余裕を持って会場に入り、AV機器と繋げるPC類の設定を行います。よくあるトラブルとして、電源コードが電源口に届かない、またモニターやプロジェクターの配線接続の型式が持ち込むノートPCと異なる場合があるため事前に設備環境の確認をしておきます。

また実際にあったトラブルでは、使用する予定のノートPCがプレゼン時に動かないトラブルもありました。同行する他のメンバーにも同じデータを渡しておいたり予備ノートPCも準備しておきます。ペーパレスがビジネスシーンで一般化しスライド資料はデータ納品する場合が多くなりましたが、スライドの印刷物は自分のメモ用兼台本として持参することもお奨めします。

万が一、モニター機器やPCが何らかの理由で使用できない場合の備えとして安心材料にもなります。あらゆる状況を想定する細やかさもプレゼンテーターには重要な要素の一つと言えます。

プレゼンのトレーニング法

緊張感に打ち勝つために

スマフォで録画がし易い環境なので、自分のプレゼン予行の動画を撮って確認することも今では手軽に出来るトレーニングです。わたしの時にはスマフォが無く自撮り確認の時間すら無いことが多かったため、録画確認は1回しか行ったことしかありませんでした。

また人前で話すことに緊張してしまう対処としては、前述した何度もプレゼン資料に目を通してアジェンダとなる流れは最低限、暗記できるまで頭の中で予行練習をしました。それにより、次に話す内容を大まかでも理解しながらスライドを進められるため冷静に話しを進めることができました。

先輩からは、「オーディエンスを人と思うから緊張するんだよ。初めは動物や植物だと思って語りかけるように考えると落ち着くよ」などのアドバイスも貰い安心した想いもありました。

また競合プレゼンやコンペの場を何かの選手権の試合に臨む会場と考えるようにして、緊張感を高揚感へと自分で思い込んで意味を変化させてたりしました。楽しめるようになると緊張感も自然と消えていきます。

「伝わる」言語情報を整えるトレーニング

プレゼンに役立つ手軽な練習やトレーニング法をいくつか紹介します。気軽に学べるプレゼンのトレーニング法を中心に3つ紹介します。

1. ストーリー要約で適切に伝える方法を学ぶ

最近に読んだ書籍や記事、観た映画のストーリーをひとに伝える行為は気軽に出来るプレゼンのトレーニングとしてお奨めです。ストーリーを的確にまとめて伝えるため要約力などを鍛えてくれます。

エレベーター・ピッチの気分で手短にポイントを絞って伝える訓練として気軽に試せ、プレゼンに利用できるポイントを手短にまとめる要約力を養えます。

2. 迷わすこと無い道案内のルート説明から学ぶ

伝え方のとトレーニングとしては、ひとに道を伝えることも適切な情報伝達のトレーニングになります。プレゼンとは相手の期待する目的地へ案内する行為と似ている部分もあるからです。

適切な話しの構成ルートで相手の目線に合わせて途中の目印となるポイントを押さえながら話しを進め、現在地からゴールに向けた道案内の筋道とプレゼンの構成は似ているからです。

ルート説明が巧い人の共通点は無駄なくポイントを押さえた手短な説明である点は、プレゼン時のスピーチの伝達法として役立ちます。

3. オーディエンスの立場でテクニックを学ぶ

また一般的ですが他人のプレゼンを観ることは非常に参考になります。昨今はオンライン中心ですが無料のカンファレンスなどで、ひとのプレゼンを観ることでオーデシエンスの立場で新たな気づきが学びとなります。

やはりスピーチ慣れした人の話方やシナリオスキル、演出方法など学べることは非常に多くあります。ライブのプレゼンを観て冷静にテクニックの分析もできるので機会が有ればお奨めします。

まとめ

最初は「伝える」ことで精一杯になりがちで「伝わる」為の工夫を考えることがおろそかになりがちです。実践を重ねる内に場を読み自分のプレゼンスタイルが身に付いて行きます。

個人としてはプレゼンテーションは、ライブ演奏のようにオーディエンスの反応を見ながら足並みを合わせてたりプレゼンの進行を工夫することに試行錯誤を繰り返してききました。

その中で時間管理には一番、気を付けてプレゼンに臨んできました。プレゼンにおいて一番の失敗は、時間が足りなくなり手際の悪さを露出してしまうことと考えます。

数分の延長を貰える場合もありますが、やはり、時間内に質疑応答までスムースに進行できた場合、今後のプロジエクト管理を印象づける場にもなるため時間管理を徹底して進めることは信頼のプレゼンス獲得になります。

目標になるプレゼンマスターを探し、そこに近づけるよう妄想しているといつの間にかプレゼン舞台も焦りが薄れて毎回の挑戦をスポーツのように楽しめるようにもなります。本記事が少しでも参考に成れば幸いです。

まとめ:【プレゼンテーションの実践テクニック】
  • プレゼンとは、受け手に対して価値ある情報や企画提案を納得して受け取って貰う伝達手段
  • 聴き手に集中して貰える要点を押さえた構成と飽きさせない伝達手段、そして信頼感の演出
  • プレゼン3要素は、「構成力(シナリオ設計)」、「伝達力(デリバリースキル)」、そして「演出力(プレゼンス醸成)
  • プレゼンは時間の制約があり、受け手が記憶出来る情報量も限られる
  • 記憶に残りプレゼンに勝つシナリオ構成は、映画で言えば練り込まれた脚本構成
  • 言語表現」だけでなく、「非言語」である聴覚情報などの話す速さや声のトーンと視覚情報である目配りやボディランゲージなどでが伝達行為を成す
  • 理解に影響する言語表現と感情へ影響を及ぼす非言語を意識し矛盾を生まないように配慮
  • 話す内容だけでなく信頼できる経験豊かなパートと成り得ることもビジネスシーンでは重要
  • プレゼンとは、相手の期待や無意識のゴールへ道案内する行程と似た行為

参考文献

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