競合プレゼン提案で勝つための基本と準備|競合コンペ勝利の方程式 Pt.1

アイキャッチ画像|デザイン思考を活用した競合プレゼンの戦いを想起させるチェスボードの写真|競合プレゼン・コンペの勝ち方を解説します。
競合コンペの提案で勝利に導くゲームチェンジャーな戦略とは?

提案活動は、営業活動において多くの時間と労力を要します。特に競合コンペ型式(競合プレゼン)では、自社の威信にも関わる謂わば公式試合。

これまで競合コンペで受注にたどり着いた経験から、デザイン思考のアプローチなどを活用した提案活動に勝つための情報精査や基本的な心得を紹介します。キーワードは、初動の情報精査による「隠れた前提条件」の探索です。

目次

競合コンペ提案までの主な5ステップ

提案までの一般的な社内手順と流れ

競合コンペ案件において、プレゼンテーションまでの一般的な5ステップを確認していきます。

STEP
情報入手

担当営業が、クライアント側から競合コンペ案件の参加依頼と内容を確認する。

STEP
社内提案チームの編成

社内に戻り、提案内容に合わせた主要メンバーを招集する。

STEP
情報整理

提案プロジェクトの進行管理者を中心に、提案内容の方向性や戦略を社内で精査。

STEP
提案書の体裁と見積作成

役割分担を明確にして各提案書・見積のパーツをチームで共同制作。

STEP
プレゼンテーションの実施詳細を確定

進行手順や登壇者を決めて、クライアントの参加者や人数を確認の上にどの様に実施するかを確定する。例えば、プロジエクター利用可否、紙の出力準備、登壇時間と順番などプレゼン実施内容の詳細を事前に確認する。

競合コンペの失注例

STEP
情報入手:情報整理なき開始

担当者が漠然とした内容をそのまま社内に持ち帰る。例)提案の要件(範囲)の細部が不明瞭。

STEP
社内提案チームの形成:放置と丸投げ

誰を招集していいか分からいないまま、数日、案件を寝かした状態で社内の手の空いている人に急遽、依頼する。提案までの時間が無駄に過ぎてから、有り物の社内資料を集めて体裁を整える。(営業的に、提案を断る判断は当然ない。)

STEP
提案書と見積の作成:「参加するため」だけの作業

情報精査の時間や適切なチーム編成が施されない中で、プレゼンの進行管理者(PM)が一人で提案書と見積の作成に奔走。とりあえずプレゼン参加の体裁を取るだけで終了。

その場しのぎの提案作成は、受注の確度が落ちるどころか社内の人的リソースを逼迫させる。結果、社内外の信頼関係までに影響するので注意が必要。

このような消化試合の提案活動から抜け出し適切な提案を投げるには、初動の情報精査が勝敗の重要な鍵となります。

競合コンペの提案は情報戦

初動の情報整理で競合コンペの勝敗の6割以上は決まる

デザイン制作やIT関連のシステム構築、または官公庁の入札案件も、発注側は取引の透明性などのコンプライアンス観点や優れたアイデアとパートナーを期待して競合コンペ型式の発注を依頼します。

特にシステム構築や導入の場合は予算規模も大きくなり、発注側の担当者も事前に提案におけるビジネス要件などの依頼内容や背景/目的をまとめたオリエンシートとなる提案依頼要項である通称、RFP:Request For Proposalを書面化して配布します。特に外資系企業はこの書面の内部ルール化を行い社内承認を経て競合コンペのオリエンテーションとなる合同説明会などを設けます。

国内企業でもRFPを書面で準備する企業も一般化して来ました。デザイン関連の競合コンペ案件の場合では予算にもよりますが、担当者から口頭のみでプレゼンの基本要件が伝達されることもあります。

書面でも口頭伝達でも注意が必要なのは、必ずしも依頼側の要件における問題定義が適切とは限らない点です。そこには発注者側も気づいてない課題が潜んでいるケースがあります。

提案時間の制約がある時こそ、依頼側の要件だけを提案するだけではなく真の課題を掴み提案に付加することが「不毛な見積コンペ」を回避するポイント。

この初動の情報収集と精査でクライアント側の深層課題のヒントを発見し解決すべきアイデアを提案するために、デザイン思考のアプローチを活用と対策を解説していきます。

上流の情報が濁っていれば、下流の出口となる提案は混沌と成るように、経験上、初動で競合コンペの勝敗の6割以上は決まると言っても過言ではありません。ビジネスにおける競合プレゼンとは、競合他社に打ち勝つための「情報戦」です。

デザイン思考のアプローチの活用と心得

デザイン思考を再考するで解説した問題の発見・解決に導く5ステップがあります。それは、1.共感(観察)、2.問題定義、3.アイデア創出、4.試作の制作、5.実験です。プレゼン準備では「アイデアの具現化」までは同様の流れになります。

また提案活動も発注者の問題解決を提案するという観点では、デザイン思考のと同じアプローチが可能です。その初動の情報整理に当たる「共感(観察)」と「問題定義」に焦点を合わせて解説していきます。

「共感」と「観察」で導く”隠れた前提条件”

まずはクライアント側の課題を整理していきます。オリエンテーションでRFPなどが出ている場合でも、文面の背景にある問題の意図や真意を見出し独自の視点を付加した提案に繋げるため、そのクライアント担当者と決裁者との距離感、所属する部署、社内での役割などのクライアント内部の環境要因や、担当者の性格などの内的要因も知り得る範囲で観察、情報収集します。

この部分は担当営業とクライアントとの信頼関係にも依存するため、新しい営業担当だとクライアント側の詳細な情報が入手困難な場合も有ります。そのような場合でもネットやSNS検索でクライアント担当者の情報を大まかに入手が出来る場合があります。ポイントは、個人レベル所属部署レベルそして組織レベルなど問題を組織内の異なる視座から再考します。

クライアント側の担当者レベルに対する「共感」からプロジェクト全体課題を再考し、組織内における各視座から「隠れた前提条件」(=深層要求)を再発見することです。それはある意味、組織内の部署や人の都合でもあり思惑は各視座で微妙に異なります。

例えば、クライアントの担当者レベルと事前の打診で企画内容の方向性に賛同を得ていたとしても、直接の上司や部門長、更にはその企画が導入される現場部門などの賛同が得られなければ企画は通りません。

理想はクライアント担当者に直接のヒアリングを行い問題に対する背景や担当者の抱える問題を深く探索できれば良いのですが、時間が無いなどの場合はWEB上で担当者や組織に関する情報収集を試みます。

例えばリンクドインで担当者の経歴や、SNSの個人ネットワークの人的繋がりなどから競合他社との関係を確認したり、会社のIR情報(決算短信やアニュアルレポート等)や組織改編、株価のアナリスト情報などネットで収拾し得る関連情報を探索し課題に対する仮説を立て提案内容に盛り込みます。

ポイントは、担当者などの「人レベル」と「組織レベル」の二軸で課題を再整理することで依頼内容の真意や隠れた課題の発見に繋がり、競合他社と異なる付加価値となる提案が見いだせる可能性があります。

隠れた前提条件の発見 :関連記事「観察力を高めてビジネスに役立てる洞察の扉を開く「思考の第一矢」」より

課題の再定義と付加価値の考察

課題の本質を推論する

発注側から渡されるRFPや初回の提案背景から伝わる内容は、あくまで必要最低限の情報と捉えます。前述したように与えられた課題は、必ずしも解決すべき全ての問題が含まれていない可能性があります。それを念頭に入れ野球の投球に喩えれば、クライアントの構えているミットに提案を投げる場合も直球だけでなくカーブなど配球を工夫して差別化を図ることを検討します。

競合プレゼンで勝ち抜く提案では、変化ある提案の配球の場合、同じ様な内容が並ぶ場合に選ばれる最終の判断材料となる期待が持てます。

つまり、共感から導き出した洞察に沿って問題点を再整理し、その周辺も課題の範囲として視野に入れた「ビジネス全体の文脈」で適切な問いを立てることで深い洞察に伴う解決案を提案することが可能になります。それは、信頼の獲得により採用される確度を高める戦術です。

具体的な例ではWEBアプリのUI(ユーザーインターフェース)改善の依頼の場合、使い易さだけで無くセキュリティ面の向上や運用面で効率化ができる仕組みの提案などを含めることで顧客満足の改善だけでなく、運用面や安全性の向上で社内のステークホルダーへも訴求できる骨太な提案に進化させることも可能となります。

つまり事前に与えられた機能要件やビジネス要件の意図や目的を再考して、周辺の文脈を含めて課題を再定義することで付加価値を見出していきます。

奇をてらう提案が目的ではなく、あくまでクライアントの問題を違う角度(=視点)からも検証して「提案の死角や見落としなどの盲点」を発見する事で提案の差別化要因となり他社よりも抜きん出る提案に仕上げます。

このような視点変化や既存の論点への懐疑心で新たなアイデアを捻出することは、洞察を深める複眼的な思考の得意とする特徴です。

まとめ

プレゼンで勝ち抜く付加価値を武装する

プレゼンでは提案の立案まで時間の制約がある中、アイデア捻出に一番、時間を割きたいところです。

しかし、初動の要件整理・理解が出来てないことで、どの提案もありきたりな内容で見積コンペの値引き合戦で消耗して失注することがよく起こります。可能な限りクライアント側の情報も収集して、差別化要因となる付加価値を思索することで競合コンペの勝利を呼び込むことが必要です。

繰り返しになりますが競合コンペの提案で勝つための基本の心得は、情報精査なくして提案することは、闇夜でキャッチボールをやるようなもの。クライアントの構えている本意を見極め、かつ他社に無い配球(=提案)を試みるです。

もちろん、当初から出来レースの競合コンペ提案も有りますが、クライアント社内における“他社の進行具合”いなどを普段から意識して情報収集を意識していれば気付けることもあります。

また、見積り主体のコンペ案件で提案企業の頭数集めの「当て馬」として仮に招集された場合でも、他社と異なる問いを立て独自の視点で提案を実施したら、次回以降の競合コンペでは期待を持って招集されることにも期待が持てます。

今回は、デザイン思考の初動プロセスの「共感(観察)」と「問題定義」を中心に付加価値を考察する、提案活動の基本の心得と準備を解説しました。今後は競合コンペで勝つための実践的なテクニックも紹介していきます。

まとめ:競合プレゼンに勝つための基本の心得
  • 初動の情報収拾、整理で勝敗の6割が決まる程、重要な準備ステージ
  • クライアント側のまとめた要件は、課題解決における氷山の一角と考える
  • 担当者や、所属部署、組織全体などの複数視点や視座を変えて「深層要求」を捉える
  • 提案要件に関わる周辺の文脈も見捉える事で付加価値を生み出す
  • 潜在的な問題点を発見し提案に含めることで付加価値として競合他社との差別化を図る

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