直ぐに使える!ブレインストーミングで役立つアイデア出し5テクニック

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アイデア出しをスパークさせたい時に必見の5つのテクニックを紹介

デザイン思考やアート思考などでアイデア出しをする場合、ちょっとしたコツや方法を知っていれば誰でもアイデアを捻出するコツがあります。特にアイデアを捻出したり飛躍させる時に直ぐに使える視点を変える5つのテクニックを紹介します。今から直ぐに使える厳選の5技術。発想をトップギアに切り替えるシフトレバーの役割を体感ください。

目次

はじめに:アイデア出しにおける初動の交通整理

アイデア出しを行うに当たり、円滑な流れを実現するための交通規制と言葉の整理(定義)をしていきます。アイデアを形成する一般的な過程で「発散と収束」という流れがあります。前半は可能性を拡げ多くのアイデアを集め、後半で整理統合を行う基本の流れです。社内会議やワークショップなどでいろいろな手法を利用してアイデア出しを行う際、限られた時間内でより多くのアイデアを出して可能性を広げる事がまずは最重要です。そのための基本方針を記載します。

アイデア出しの衝突事故を防ぐ5ルール

  • 質より量を目指し、その結果、量が質を生み出す
  • 生まれたてのアイデアに対し評価や批判をしない
  • 新規性やオリジナルばかりにこだわらない
  • 他人のアイデアに便乗する
  • 人格(発言者)とアイデアを分離させる

特に最後の「人格とアイデアの分離」は、人間関係の権威バイアスや対立感情を回避しアイデア自体に眼が向けられる仕組みがチームワークの運営で重要となります。特に会社組織では年次、役職などの影響が起きやすくなります。初期アイデアは、ポストイットに書き出して張り出したり、または誰のアイデアかは分からないように混ぜてしまうなどの仕組みが必要になります。参考までに米国のデザインエージェンシー”IDEO(アイデオ)”のブレインストーミングの7ルールを記載しておきます。

“IDEO”ブレインストーミング-7ルール

  1. 評価は後回し:Defer Judgment
  2. 大胆なアイデアをどんどんだそう:Encourage Wild Ideas
  3. 他人のアイデアに便乗しよう:Build on the Ideas of Others
  4. 対象トピックを常に意識する:Stay Focused on the Topic
  5. 同時に複数で討議しない:One Conversation at a Time
  6. 視覚に訴えよう:Be Visual
  7. 量を狙え:Go for Quantity

IDEO U “7 Simple Rules of Brainstorming”より

アイデア会議のファシリテーターは、基本ルールの周知だけでなく場の構築やアイデアの数を競わせるなどのゲーム要素を盛り込んだ仕組みや演出などの運営上の工夫も重要になります。

3つの観点:視点/視座/視野の言葉の整理(定義)

「ユニークな視点」、「視座を上げて考えを抽象化させる」、または「視野を拡げて考える」、など普段、何気なく使っている物事を考える切り口。具体的な視点変化のテクニック解説に進む前に、まずはそれぞれの言葉の交通整理し意識を合わせていきます。

視点:見捉える「焦点」と鋭い「角度」

焦点を当てる所と方向。(例:事件における被害者と加害者の見解。月面の形状が見る位置でウサギや女性の横顔の形状に見えるなど、焦点の位置と方向で同一の対象が異なる捉え方になる)

光の当たる場所や角度で形状が変化して見える現象のように、物事に問いを立てる焦点の角度で多様なアイデアを導く事が出来る。

視座:複数の重なりあう「層」からの眺め

見る位置やポジション。(例:会社経営において、従業員、管理職、経営役員の考え方など)

視座とは、ものを見るポジションや位置的な距離。虫の眼から鳥の眼などの例えで言うと、部分と全体感の捉え方で解釈が変わるように、特に会社組織の経営層は、俯瞰した視座を有するため表現が抽象化する傾向がある。視座は垂直的な拡がりの層を形成し、ミクロとマクロ、ローカルやグローバルなど眺める”層”からの位置を表す。視点の一部と考えられる。

視野:既存領域を超える「面」の拡がりと心構え

捉える対象の範囲。(例:旅行における顧客時間を、「準備(旅前)」、「旅行中(旅中)」、「旅後(旅後)」などの前・中・後を旅行の行動時期間の範囲として捉えるなど)

「視野を拡げる」とは、時間や空間などの拡がり、または対象を取り囲む周辺文脈などを一連の”面”として捉えた範囲。通常の方向と異なる領域まで拡げて新たな発見を試みる。

視点・視座・視野を説明したイラスト図:円錐を捉える視点の位置で見える形状は変化する
円錐を捉える視点の位置で見える形状は変化する

3つの観点を定義しましたが広義で見れば「視野」も「視座」も、一つの「視点」と言えます。観点を増やし複眼(マルチアングル)の視点にすることで”点”から”面”で問題を捉えて見える範囲の視野を拡げたり、問題に対して”寄りや引き”の視点の焦点移動を行えば視座の変化から異なるアイデアの背景にある文脈も見え発想の飛躍が高まります。

アイデア出しを行う時は、まずは目の付け所である「視点」を何処に焦点を定めるかを意識します。アイデアを多く量産したいときには、一つの視点をずらしていくことで新たな問いを立てる事が出来ます。このような視点変換テクニックは、知識や経験を必要とせずともいくつかの型を知れば誰でも簡単にアイデア創出しに活用できます。それでは数ある思考テクニックの中でも直ぐに活用できる5つの視点変換するテクニックを紹介していきます。

5つの視点変換テクニックー 最強セットリスト

アイデアを呼び込む技術として、規則に則って考えるだけで自然に連鎖反応としてアイデアが思いつく便利な方法があります。ひとりでアイデアを練る時や社内のアイデア会議などでも利用出来るテクニックを紹介します。最初に手軽に一人でも出来る3種と、グループワークなどで活用できる2種の合計5種を紹介していきます。

1.二項対立の分析

二項対立の分析」とは、一つの概念を相対する二つの側面(軸)に分けて考えることで表裏、矛盾や対立などの一対の相関関係を持たせることです。二項対立の具体例を挙げると「全体・部分」、「長期・短期」、「メリット・デメリット」、または属性軸で「男・女」などの切り口があります。活用方法としては、アイデアの発想が手詰まりになった時、1つの視点に新たな観点を掛け合わせたり反対の視点で捉え直したりして新たな問いを立てるのに活用します。特にアイデア自体を飛躍させたい時は、意外な組み合わせを選び出すことで新たな発見が期待できます。

例えば20代女性向けのコスメ商品の宣伝広告で、ターゲットである対象女性の視点だけでなく、その彼氏などのパートナーの視点を取り入れた「女:男」対比型の二項対立の観点を活用することでアイデアの幅が拡げられます。(広告コンセプト例:ターゲットの「どう見られている」という潜在的疑問を異性の視線を利用して「どう見られたい」という潜在的願望の顕在化を試みる。)特に異なる視点による二項対立の分析は従来の概念と異なる新たな切り口を発見するのに優れています。

このように対立や矛盾などの軸を暗記する必要もなく、2字熟語などを思い出せば掛け合わせ軸も他に導くことが可能で、一人でもグループでも手軽にアイデアを捻出するのに役立ちます。また二項対立の視点はアイデア出しだけでなく論点や問題点の整理にも役立ち、全体を見渡す視野の大局観を養う効果も期待できます。以下にアイデア出しに役立つ主な二項対立の視点軸を参考までに挙げておきます。

視点軸特徴活用例
「全体」:「部分」・全体像の理解と把握(対比型)マクロとミクロ視点で論点の全体構造を整える
「目的」:「手段」・戦略と戦術(対比型)アイデアの主従関係の整理
「作用」:「反作用」・トレンド分析(対立型)時代の主流/反主流による次期予測:ゴージャス対ナチュラル、デジタル対アナログなど
「本質」:「概念」・思考の飛躍(視点変化の対比型)対象の実体を抽象化する:車→プライベート時間、心を通わせる空間。
車=移動手段(本質)から、車=時間や空間(概念)で捉える
「仕組」:「演出」・コンセプト開発(掛け合わせ型)・システムとしての仕組みを記憶に残る物語性に発展させる:例)ファーストフォードの気軽な仕組みに、モダンな内装や家具で”居心地の良い自分の場所“を提供するスターバックスなど。

2.SCAMPER法(”オズボーンのチェックリスト”の改訂版):自問自答でアイデア捻出

アイデアを9つの質問形式で強制的に連想し発想を促す「オズボーンのチェックリスト」があります。米国の大手広告代理店でブレインストーミング(ブレスト)の創始者としても有名なアレックス・F・オズボーンのアイデアを発散させるための項目一覧です。このリストの各頭文字を取って“SCAMPER”(スキャンパー)という呼び名で7項目に整理したSCAMPER法は、ボブ・エバールによってオズボーンのリストを覚えやすく改訂した視点変換法における定番の仮説思考法です。

  1. Substile:代用できないか?(時間、場所、方法に置き替える)
  2. Combine:統合できないか?(別の用途や他製品・サービスと組み合わせる)
  3. Adapt:応用できないか?(他業界や類似のものに当てはめる)
  4. Modify:変更したらどうなるだろう?(サイズや要素を変える)
  5. Put to other Uses:他の使い方ができないか?(対象、目的や業界を変える)
  6. Eliminate or Minify:排除・縮小できないか?(ルール・プロセスを無くす)
  7. Rearrange or Reverse:並び替えや逆にしたらどうなる?(プロセスを変える)

SCAMPER法の特徴は、7つの視点変換の質問を検討することで自然と思考を発散させることです。既存の商品、サービス、またプロセス改善や新たな商品開発のヒントを見つけ出す「発散ステージ」でアイデアを量産をする時や、行き詰まりを打開する時に活躍します。「もしXXXXしたら、どうなるだろう」という仮定思考の一種で、気軽にアイデアを探索できるので一人ブレストにもお奨めです。

3.エスカーション発想法:連想ゲームでアイデアを自動量産

エクスカーション(Excursion)の語源は、ラテン語で外へ(ex)走り出す(currere)という意味から派生しています。そこから、主題から離れて探索する→遠足・周遊などの意味に結びついていきました。エクスカーション発想法は、検討するテーマをトリガーとなる連想ワードを挙げてその特徴キーワードから連想するアイデアの観点を生み出す方法です。特に思いがけない視点へ思考を飛躍させ新たな思考回路を増やすブレーンストーミング手法の一つでもありますが、米国などではファシリテーターがブレスト参加者に小旅行を頭の中で想像させます。そこで感じる風景や感覚を言葉に記録しその特キーワードを設定テーマとの類似性を連想して強制的にアイデアを捻出していくプロセスになります。

トリガーとなる連想ワードは旅行(場所)だけでなく「動物」、「職業(1日の作業内容)」などもあり、複数の連想テーマを同時に利用して短い時間でも多くのアイデアを発散させる工夫もあります。

4.ブレインライティング(635法):周りの評価を気にしない沈黙のブレスト

ブレインライティングは、テーマを1つ決めて紙に書き出した他人のアイデアに自分のアイデアを書き足して行くアイデアを発展させる発想法ですう。一般的なブレインストーミングでは、参加メンバーの性格により発言のばらつきが起こりがちですが、ブレインライティングは全員で他人のアイデアを参考に便乗してアイデアを発展させていきます。”沈黙のブレスト“とも言われおり、人前で積極的な意見交換をしないので平等にアイデアを捻出していけるメリットがあります。

元々、旧西ドイツの経営コンサルタントが考案した発想法で、6人のチーム構成で、一人で3つのアイデアを5分間で出すことより635法の名前の由来と言われます。紙に書き出した最初の3つのアイデアは隣の参加メンバーに渡して、その他人のアイデアの下に自分のアイデアを自由に書き足していきます。6人の参加であれば、3×6人x6ラウンド=108のアイデアが捻出できます。基本、各自が3つのアイデアを出す前提ですすめ、最後に参加者が出そろったアイデアで気に入ったもの全てにマーク(星印など)を書き込んでいき、一番多くの印を獲得したアイデアを抽出する流れになります。365法のメリットは、発言が苦手な参加者でも平等にアイデアを出せ、かつ、多様な視点のアイデアが収集できます。

ブレインライティング365法のスタイルを一部、発展させたたものになります。違いは、最初に廻って来たアイデアに対して第二ラウンド以降のアイデア出しに独自のものを記載するのでなく、廻ってきたアイデアに便乗して発展や補足させてアイデアを育てて継承します。また前の人のアイデをこれ以上は展開出来ないと思った場合は、新規のアイデアを記載します。そのときに、前のアイデアとの間に太線の区切り線を描くなどして分かるように工夫を施します。

アイデア出しがあまり慣れてない参加者が大半の場合は、ブレインライティング方式で他人のアイデアに便乗する方式が進行が円滑になります。

5.シックス・ハット法(6色の帽子):視点を変えて多角的にアイデアを検証・創造

最後にチームでも一人でもブレストに使えるシックス・ハット法を紹介します。ブレストで意見が食い違いを見せる原因には、得てして捉えている視点が同時に混在している事に気づいてないことに起因することがあります。シックス・ハット法は6つの視点:「客観」、「感情」、「肯定」、「否定」、「革新」、「俯瞰」で多角的にテーマを検討していきます。

これは水平思考(ラテラル・シンキング)の提唱者でもある、エドワード・デボノ博士(Edward de Bono)によって考案されたシンプルな発想の手法です。どちらにも共通している考えは、「多様な視点から物事を直感的に捉える」ことで、既成概念に囚われないアイデアを導くことが得意とされています。因みに垂直思考(バーティカル・シンキング)とは、理論的に分析し思考を深掘りして行く思考法で、ロジカル・シンキング、クリティカル・シンキングと類型した問題解決に特化して発想法です。

6つの視点を色の付いた帽子に例えて、どの視点で考えているかを強制的に自覚する仕掛けになっています。演出であるそれぞれの帽子の特徴と役割を説明していきます。

白い帽子【客観・論理の視点】

事実や数値などの客観的情報(データ)に基づいて意見を出す。

赤い帽子【主観・感情の視点】

データなどでは見えない対象者の感情を直感的に探索する。(テーマ自体の批評と異なる)

黄の帽子【肯定・楽観の視点】

利点や恩恵など前向きなポジティブな意見を出す。

黒の帽子【否定・悲観の視点】

問題点やリスクの発見などネガティブな意見を出す。

緑の帽子【革新・創造の視点】

新しい考えや概念に展開・飛躍させたり代替案を創出する。

青の帽子【俯瞰・管理の視点】

俯瞰的に課題とゴールを意識し論点や意見の整理をおこなう(ファシリテーション)。

シックス・ハット法の進め方に関しては、チームで行う際はテーマを決めた後に、全員で同じ視点(帽子)で順に色を変えたり、青のファシリテーター役を決めた上で、参加メンバーが異なる帽子(視点)で意見を出し合うやり方の2種類があります。人数の関係や始めてシックス・ハット法を行う場合は、全員で同じ帽子の役を進めていくやり方がいいでしょう。またチームの一体感も出て意見が出やすくなる傾向があります。

アイデア発想のステップも一般的には、「白」→「赤」→「黄」→「黒」→「緑」→「青」がアイデアをまとめやすい進め方と考えられていますが、扱うテーマによっては流れを変えたり繰り返すなど自由にアレンジも可能です。

ソリューション提案の場合(例)

「白:状況把握」→「赤:対象者の感情分析」→「黒:問題の洗い出しやリスク確認」→「緑:ソリューションの創出」→「青:まとめ」

戦略計画の判断(例)

「白:現状の整理」→「黄:メリット確認」→「黒:ネガティブチェック」→「青:判断」

戦略提案においては「赤:感情・主観」の軸を利用するケースは少なくなります。また「白:理論」と「赤:感情」、「黄:肯定」と「黒:否定」などは前述した”二項対立の分析”の構造が盛り込まれて、アイデアの発想を活性化する仕組みがシックス・ハット法にも活用されています。また”色つき帽子”という演出効果で思考の癖を取り除き強制的に視点変化を起こさせたり”人格とアイデアの分離”効果によりメンバー間の対立関係を回避させアイデア創出を自然発火させる仕掛けも盛り込まれているのがシックス・ハット法の優れたポイントです。チームのブレストでも、一人でアイデアを創出する時にも使える便利な発想法です。

まとめ:異なる意味や価値を生み出すシフトレバー

物事を捉える視点/観点をずらして本質を追究するテクニックは、実は努力だけでなく自分で認識さえすれば直ぐに利用できるものもあります。アメリカの大学でデッサンの授業を受ける時に、デッサンの位置確保で大方は正面をとりたがる傾向が有りました。当然、同様の構図になり平凡さを打開する為には、個性的な表現で差を付ける工夫が必要になります。あなたがビジネスで同じ方向の視点で捉えたアイデアを技術的な違いだけで競合としのぎを削るのと、同じ対象を視点変換による異なる意味や価値を提示できた場合、どちらが永く優位性を保てるかは気づかれる事と思います。アイデア出しにおいて視点変換とは、手軽に発想をトップギアに切り替えるシフトレバーの役割。

視点変換テクニック特徴必要人数
二項対立の分析異なるもう一つの視点軸からアイデアを整理、展開、飛躍を行うアイデアの成形・飛躍型1人から可
SCAMPER法7つの設問で自問自答を行うことで新たな問いを導き出すアイデアの応用・発展型1人から可
エスカーション法トリガーテーマを利用した連想方式で自動的にアイデアを紡ぐ量産型1人から可
ブレインライティング他人の評価を気にしないでアイデア出しのできる連鎖・リレー式の量産型ワークショップなど定番発想法(理想は6人前後)
シックス・ハット法強制的に固執した視点を解放し論点の足並みを揃えて進めるアイデア量産型6人揃わなくとも可(1人6役など)
まとめ:アイデア出しの視点変換テクニック
  • アイデア出しの初動においては交通整理を行える規則と言葉の定義で安全領域を確保
  • 視点変換を行うことは、型を利用することで経験に頼らずとも手軽に思いも寄らぬ着眼点の発見が期待出来る
  • 固執した思考癖を除くには、無意識で思考を操る半自動の連想法や人のアイデアに便乗する仕組みが有効
  • アイデア出しでは視点変換は手軽かつアイデア創出のトップギアへ切り替えるシフトレバーの役割
アイキャッチ画像|アイデア出しに役立つ発想法|ワークショップで使えるアイデアの錬金術イメージ

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