競合プレゼンで勝つための勝者の視点:5つのステップと隠れた前提条件|コンペ提案の勝利の方程式 Pt.1

アイキャッチ画像|デザイン思考を活用した競合プレゼンの戦いを想起させるチェスボードの写真|競合プレゼン・コンペの勝ち方を解説します。
競合コンペの提案で勝利に導くゲームチェンジャーな戦略とは?

月末の重要なプレゼンテーション。社内の精鋭チームが数週間かけて準備したにも関わらず、結果は惨敗。理由は『見積価格が高い』という一言で片付けられる。このような経験はありませんか?

実は、競合プレゼンで勝敗を分けるのは、資料の美しさでも価格の安さでもありません。勝利の鍵は、プレゼン当日までの情報戦略にあります。

15年間のプリセールスエンジニアとしての実戦経験で見えてきた真実は、競合他社に勝つ企業は例外なく「初動の情報収集」で圧倒的な差を築いているということです。

デザイン思考のアプローチを活用し、クライアントの表面的な要求の奥に潜む「隠れた前提条件」を発見することが、価格競争に巻き込まれることなく選ばれる提案を生み出す秘訣なのです。

この記事では、競合プレゼンを情報戦として捉え、確実に勝利を掴むための戦略的アプローチを具体的に解説します。

目次

競合プレゼン必勝の5ステップ戦略

コンペに勝つ成功企業が実践する基本プロセス

コンペ案件において、プレゼンテーション成功のための理想的な5ステップを確認します。

STEP
重要な情報の収集

担当営業は、クライアント側からコンペ案件の参加依頼と詳細を確認。たとえば、以下のような情報を収集:

  • 提案背景
  • クライアント側の関わる担当者の部署名
  • 参加予定の競合企業の数と社名
STEP
社内提案チームの編成

社内に戻り、提案内容に合う主要メンバーを招集。

STEP
情報整理とプレゼンの戦略構築

提案プロジェクトの進行管理者を中心に、提案内容の方向性や戦略を社内で精査。

STEP
提案書の体裁と見積作成

役割分担を明確にして各提案書・見積のパーツをチームで共同作成。

STEP
プレゼンテ実施の詳細を確定

進行手順や登壇者を決める。また、クライアントの参加者や人数を確認の上、どの様に実施するかを検討。たえば、プロジェクターの利用可否や資料の出力準備、登壇の順番など、プレゼン実施内容を事前に策定。

失注する企業が陥る致命的な失敗パターン

受注を逃すNG行動事例

STEP
情報不足:競合情報などコンペの特徴が不明

担当営業が漠然とした依頼内容をそのまま社内に持ち帰る。例)提案の背景や要件(範囲)の詳細が不明瞭。

STEP
社内の共同体制の不在:放置と丸投げ

チーム構築に時間を要し案件を寝かす。社内の手の空いている人に突然、任せる。

STEP
戦略なき企画書:消化試合の雰囲気

過去の提案資料を社内で集めプレゼン資料の体裁を整える。企画内容もクライアント側のビジネス要件に合わせたつじつま合わせに翻弄される。

競合との戦いにおけるプレゼン戦略もなく、可もなく不可もない企画書でコンペに挑み、値引き競争で惨敗を喫する。

ポイント

その場しのぎの提案書の作成は、受注の確度が落ちるどころか社内の人的リソースを逼迫させる。結果、社内外の信頼関係までに影響を及ぼす。

このような消化試合の提案活動から抜け出し、勝ちに繋げる提案をするには初動の情報収集と精査が勝敗の鍵となります。

情報戦で競合を圧倒する|プレゼン成功の核心ポイント完全解説

初動で決まるコンペ提案の情報精査

隠れた問題点を探り出すRFP(提案依頼要項)対策

デザイン制作やIT関連のシステム構築、または官公庁の入札案件も、発注側は取引の透明性などのコンプライアンス観点や優れたアイデアとパートナーを期待して複数企業にコンペ型式の参加を依頼する流れがあります。

特にシステム構築や導入の場合は予算規模も大きくなり、発注側の担当者も事前にビジネス要件やシステム要件などの依頼内容や背景/目的をまとめたオリエンシートとなる提案依頼要項、通称、RFP:Request For Proposalを書面化してコンペに参加する企業に渡します。

特に外資系の事業会社では、このRFP書面化の内部ルール化を行いコンペ提案に向けて事前オリエンテーションとして合同説明会を設けたりします。

国内企業でもコンペ提案に対してRFP書面化の準備が一般化してきました。しかし、デザイン関連の競合プレゼンの場合では予算にもよりますが、担当者から参加企業へ口頭で大まかな要件が伝達されることもあります。

書面でも口頭伝達でも注意が必要なのは、必ずしも依頼側のビジネス要件における問題設定が適切とは限らない点です。発注者側も見落としている、あるいは見誤った問題が隠れているケースもあります。

多くのプレゼンの経験上、初動の情報精査で勝敗の大部分が決まると言っても過言ではありません。ビジネスのコンペ提案とは、競合他社に打ち勝つための「情報戦」であり競合プレゼンの戦略でもあります。

依頼側のビジネス要件だけに沿って提案するだけでなく、隠れた問題点を見出し提案に付加することも検討。

この初動の情報収集と精査を深める、ヒアリング項目の例を次項で紹介します。

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